欧州での米国企業によるクラウド「支配」についての懸念

2025年3月20日

米国とのクラウド契約について心配がある

本日はちょっと真面目なお話です。ヨーロッパってそうなんだ~って思っていただければ幸いです。

さて米国のクラウドサービスを利用するに際しEUでの懸念がじわじわあがってきています。

欧州委員会の統計によれば、欧州企業の半数近くがクラウドサービスを利用していて、その市場をリードしているのは米国企業、例えばアマゾン、マイクロソフト、グーグル、オラクル、セールスフォース、などなどです。

技術分野でいろいろな動きを見ると、欧州では米国のクラウドプロバイダーがデータプライバシーに関する保証をどこまで信用できるのかと疑問に思っています。

これを読んでいるお客様もきっとマイクロソフトのサービスを何かしらご利用だと思います。

何かファイルを保存するとき、クラウドに行かないように保存するのは難しくありませんか?

米国クラウド法

さて、皆様は米国のクラウド法(Cloud Act. Clarifying Lawful Overseas Use of Data Act)について聞いたことがあるでしょうか。

2018年3月に可決され、大統領の署名により成立された法律です。

この法律によって米国政府は、米国内に本拠点を持つ企業に対しデータ(データセンターやサーバーなど)の保存場所が米国内外にかかわらず令状なしでデータ開示の要求ができるようになりました。

クラウド法についてはほかに解説しているサイトがいくつもあると思うのでおいておきます。

が、一応、「米国があなたの電子メールを要求すれば、マイクロソフトはそれを渡すだろう」ということが起こる可能性は極めて低いといわれています。

それが本当かどうかはまあおいといて・・・

クラウドサービスに対する各国の態度

ロシアと中国はマイクロソフトのクラウドから離れているようです。そういうことが一応可能は可能なんですね。

でもロシアでも中国でもないところの一般人の我々がマイクロソフトのクラウド上で動作していないオフィス環境を入手したいといっても、今のところありませんし、もうワープロやタイプライターを使うような前時代に戻れるわけでもない。

さてヨーロッパはどうでしょう。

ドイツは結構オープンソースのソフトウェアを利用していた地域がいくつかあり、アウトルックからの移行にトライしているようですが、

マイクロソフトを使ったり使わなかったりした公的機関もマイクロソフトに戻っているとも聞きます。

一方スペインでは移行に成功した地域があるとか、フランスもそれを考えているとか。

また英国でもAIの競争力などの観点からマイクロソフトのような企業とは関係を断ち切れないという「懸念」が出ているそうです。(「懸念」なんですね・・)

このような流れの中で米国で新政権となりました。

今までの枠組みが維持されるのか、劇的に変わるのか懸念しています。

スウェーデンではどう?

EUの中でも小国(といったら失礼か)のスウェーデンでも話題になっています。

こちらのComputer Swedenの記事によると、スウェーデンでは国税庁がM365とTeamsの利用を決定していますが、実は3年前にはTeamsの利用は否決されていました。現在の国税庁では、Teamsを限定バージョンで利用しているとのことです。

スウェーデン国税庁では、セキュリティ面での保管を対応し、組織全体を分類して保護する価値のある情報を把握、結論的には現時点でおそらくクラウドのみではなく、ハイブリッドになるだろうとのこと。「何かあった時のために備えておくことが大事」との記述でした。

同じように米国のクラウドサービスに対する「プランB」の策定を呼び掛けているのがデンマークのデータ保護局、さらにノルウェーのデータ保護庁も米国への個人データ移転ルールについての質問が多くよせられているため、回答を準備中とのこと。

各国の情報を追いかけることは難しいですが、ノルウェーのデータ保護庁では、「現在、米国への個人データ移転を容易にする規則があるが、遅かれ早かれ、これらの規則が欧州司法裁判所で争われることになるだろう」とも記述しているそうです。

先の通り米国の状況が不確実性を増していることから、みな静かに注目している点でもあります。

スウェーデンのデータ保護庁はまだ具体的な情報を提供してはいませんが問い合わせは受け付けているそうです。スウェーデンのデータ保護庁は他国と違って慎重な回答のようですね。

ちなみにノルウェーはEU加盟国ではありませんが、EEA協定でEUのデータ保護規則に従っています。

(ちなみにこういうときのニュースはスウェーデンは隣国の動きが気になって、ノルウェーやデンマークの動きは比較対象で記載されがちです。フィンランドはあまり載ってこないのはなぜ?)

今後の動き

今年の2月26日にマイクロソフトは、欧州の民間企業、公的機関の顧客がEUおよびEFTAクラウド地域内でデータを保存・処理できるようにマイクロソフトクラウドのEUデータバウンダリーを完了したと発表しました。

いずれにしても法的効力という点ではどうなるかわかりません。

このような米国のクラウドの話がGDPRとかかわってきて複雑になってきたり、米国の新政権による貿易戦争がヨーロッパに及ぶことも(及びつつある?)も可能性があります。

米国がウクライナに対してスターリンクへのアクセスを遮断すると脅したとも報じられていますよね。

同様なことがEUに対しても起こりうることであり、米国の大統領令ひとつで欧州が大きな影響を受ける可能性があります。

なかなか難しいトピックですが、常に目を開いて最新情報を知ることが大切かと思います。

日本ではあまりこのようなトピックは見当たらない気がします。遠い国のお話だと思っているからか、はたまた米国の「おともだち」だと思っているからか。。

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こちらのブログは、筆者が個人的に読んだり、各国のスタッフより聞きかじった内容をまとめています。

オフィシャルな内容については公的機関の情報をご覧ください。

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。。。そういえば日本にデータ保護庁のような省庁ありましたかね・・?

デジタル庁?マイナンバーカードの話ではよく聞きますが・・

お詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください。よろしくお願いします。^^

 


参考記事

https://computersweden.se/article/3833714/oro-for-molnavtalet-med-usa-vi-ar-beredda-om-nagot-hander.html

https://www.microsoft.com/ja-jp/trust-center/privacy/european-data-boundary-eudb

 

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