導入事例
タレスグループの一員であるタレス・アレーニア・スペース社(以下タレス社)は、民間・防衛の両部門において最も高性能な衛星技術を持つ航空宇宙・防衛産業企業です。同社は、フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、ドイツそしてアメリカに7,500人の従業員を抱え、2011年には総売上高21億ユーロを計上しました。
データセンター運用ガバナンスマネジャーであるセルジ・ゴンザレス氏は、データセンターの運用、ストレージ管理、サービス及びアプリケーションの運用メンテナンスの責任者です。彼は、20台以上のホストを擁する2箇所のデータセンターを統括しており、そのユーザデータ容量は、合計60TB、ユーザ数は6,000人以上に達します。
手ごわい課題に取り組む
タレス社では、主にプロジェクトベースで事業を進めるため、データは、長期間に渡って保護されると同時にアクセス可能である必要があります。これは宇宙航空・防衛産業では非常に典型的なシナリオで、場合によっては保存期間が、70年にも及びます。タレス社が、この問題にどのように取り組んでいるのかをゴンザレス氏に尋ねたところ、彼はこう語りました。
「長期間データを保管しなければならないというのは非常に難しい課題です。複数のプログラムでは、データを数十年に渡って保管する必要があり、これらを効率的に保管するため、データをプライマリー・ストレージの外部でアーカイブしています。この場合、非常に大切なことは、重要なデータのみ保管することです。一度アーカイブされてしまうと、私たちは二度とこれをクリーンアップすることはできないからです。」
また宇宙航空・防衛産業の情報集約的な特質を考慮した場合、この産業の並外れたデータ成長率もタレス社の心配の種です。この産業における平均的なデータ成長率は毎年35%で、いくつかの研究によると50%から60%にのぼることも稀ではありません。これらの成長は、主にユーザが作成した、データベースに収まらない非構造化データによるものです。IT関連の予算が引き締められるにつれ、データ成長をコントロールし低成長に抑えることは死活問題となりました。ゴンザレス氏はこうも付け加えています。「ユーザ由来のデータ成長を抑えるだけで、大幅なコスト削減が可能なのです」
不要なデータをクリーンアップする努力に加えて、タレス社では、ストレージに何らかの境界を設置する必要が出てきました。無限のストレージ環境は、とてつもなく高価なだけでなく、コントロールの欠如は、ストレージの過剰使用とインフラの不安定化に繋がりかねません。新規ハードウェア計画が困難になり、IT環境の不備のために新プロジェクト自体が継続できなくなったり、中止に追い込まれたりする可能性があるのです。
コントロールを実現する
タレス社が、自社のユーザ由来データのコントロールのためにNorthern Storage Suite(以下NSS)を利用し始めてから8年以上が経ちます。
現在タレス社は、NSSをプロジェクトとサブプロジェクトに対しクォータに適用することで、ストレージ配分に役立てています。「クォータのサイズは、プロジェクトごとに交渉し、ユーザが十分スペースをクリーンアップした後でしか、サイズ容量を増やすことができません。」とゴンザレス氏は説明します。「制限のないストレージというのはコスト的に管理不可能なのです。」
タレス社は、自社の管理ツールにクォータ作成を組み込み、この集中管理によって管理コストの削減とワークフローの合理化を実現しています。
またクォータは、プロジェクトごと、または物理的なボリュームレベルでストレージがどのように利用されているのか、という情報を得るための基準としても利用されています。
現在ゴンザレス氏は、実際どのようにストレージが利用されているのか、さらにより深く知るためにNSSのレポート機能の利用の拡大を考えています
タレス社の成果
8年以上NSSを利用してきた後、タレス社のデータ成長率は、毎年わずか10%という驚くべき低水準に抑えられました。この低成長率のおかげでIT部門は予算超過することなくより的確にディスク利用状況を予測できたため、将来のハードウェア投資計画の精度も向上しました。
さらには、適切な管理システムのおかげで、ユーザの行動にも変化が現れました。ゴンザレス氏は語ります。「保存してよいデータに限界があると知ったプロジェクトの責任者とユーザの両者が、ストレージ領域を何のために使用するかを慎重に判断するようになったおかげで、以前よりも整理整頓が行き届き管理しやすい環境になりました」
Northern Storage Suiteが、タレス社にもたらした価値を実感しているゴンザレス氏に、NSSを他の組織に薦めるかどうか尋ねた際、彼はこう言いました。
「特に長期間にわたるプロジェクトを管理する必要がある組織、大規模なストレージ領域を消費する組織であれば、ぜひNSSを長いスパンで利用するべきです」
お客様について
タレス・アレニア・スペース(タレス)は、タレス・グループの一員であり、民間および防衛分野で最も高性能な衛星技術を扱う航空宇宙・防衛企業。フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、ドイツ、米国に7,500人の従業員を擁し、2011年の総売上高は21億ユーロに達しました。
